本プログラムは平成28年3月31日をもって終了いたしました

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独立行政法人 科学技術振興機構

用語集

5年生存率

病気の治療開始から5年後に生存している人の割合。治療後に残ったがんは5年以内に再発する可能性が高いため、5年間生存していれば治療効果があったとみなせるという考え方があり、がんの場合によく使われる。ただし、5年生存率では、実際には再発があっても、生存していれば生存者として数える。

ES細胞とiPS細胞

ES細胞は、胚性幹細胞(embryonic stem cell)の略、iPS細胞は、人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)の略。どちらも体の様々な組織や器官の細胞に分化する能力をもっている。ES細胞は、発生初期の胚から細胞を取り出してつくられる。iPS細胞は、体の細胞を初期化することによりつくられる。

アポトーシス

細胞が死ぬしくみの1つで、生体内で不要になった細胞が、一定のプログラムに従って死に至る。このため、「プログラム細胞死」とも呼ばれる。がん化した細胞も本来はアポトーシスで排除されるが、アポトーシスに抵抗性を示すものが生き残ると考えられている。このため、がん細胞にアポトーシスを起こすことでがんを治療できる可能性がある。

がん遺伝子

細胞の増殖を促す遺伝子で、変異により、細胞の異常な増殖を引き起こすもの。myc、rasなど、多くの種類がある。

がん抑制遺伝子

細胞の増殖を抑える遺伝子で、変異により、増殖を抑える働きが失われるもの。がん抑制遺伝子が働かなくなると、細胞の異常な増殖が起こる。p53、APC、BRCA1などが知られている。

蛍光タンパク質

組織や細胞の中で特定の分子を見分けるために、赤や緑などの蛍光を発する物質がマーカーとして利用される。蛍光タンパク質は海洋生物から発見されたもので、その遺伝子を目的の分子の遺伝子につなぐことで、目的の分子を光らせることができる。目的の分子に対する抗体と蛍光色素を結合させたものを使う方法もある。

血管新生

もともとある血管が枝分かれして新たに血管が形成されること。がん組織では、がん細胞の生存・増殖のために栄養や酸素が必要であり、血管新生が起こる。血管新生を抑えることは、がん治療の1つの戦略となる。

酵素

触媒として働くタンパク質の総称。細胞内で遺伝子の情報をもとにつくられる。様々な種類があり、それぞれ別の化学反応を促進する。酵素の異常は、がんをはじめとする病気の原因となるため、酵素は分子標的となることが多い。

サイトカイン

おもに免疫細胞から放出され、細胞間で情報を伝える働きをするタンパク質。微量で作用し、免疫系の働きを強めたり、弱めたりする。インターロイキン、インターフェロンなどの種類がある。サイトカインのうちで、細胞を呼び寄せる働きをする(細胞遊走活性をもつ)ものを「ケモカイン」という。多くの種類があり、構造上の特徴によって分類されている。炎症部位でつくられ、白血球を呼び寄せるインターロイキン-8などが知られている。

実験動物

医学・生物学分野の実験や検査に使われる動物。がんの治療法開発では、分子標的の妥当性を確かめるPOC(proof of concept、概念の実証という意味)実験や、薬の候補化合物の効果を調べる実験のために、おもにマウスが使われる。マウスは飼育・繁殖がしやすく、遺伝子操作も可能なため、実験動物として広く使われている。

染色体転座

染色体の一部がちぎれて他の染色体に結合したり、他の染色体の一部と入れ替わったりする現象。これにより、もともとは別々の染色体にあった遺伝子が融合することがある。融合遺伝子からつくられる融合タンパク質は、がんの原因となる場合がある。

バイオインフォマティクス

ゲノムの塩基配列など、生命現象に関する情報を扱う研究分野。近年、生体試料の分析技術が進歩して大量の情報が得られるようになったことに伴い、発展してきた。コンピュータを用いて得られた情報を解析することにより、様々な知見を引き出す。

バイオマーカー

血液、尿などの体液中や組織中に存在するタンパク質、糖などの生体分子のうち、病気の状態の指標となるもの。様々ながんについて、バイオマーカーとなる物質が知られており、診断や薬の効果の判定に使用されている。

非翻訳RNA

DNAが転写されてできるRNAの中には、タンパク質に翻訳されないものがある。これを非翻訳RNAと呼ぶ。非翻訳RNAの中には、マイクロRNAなど、遺伝子の使われ方を制御するものがあることが知られるようになり、新たながんの治療法にもつながると期待されている。

ユビキチン

不要になったタンパク質を分解するための目印となるタンパク質。分解すべきタンパク質に複数のユビキチンが次々に結合し、プロテアソームという細胞内のタンパク質分解装置が、これを認識して取り込み、タンパク質を分解する。

予後

病気の治療後に、病状がどのような経過をたどるかという見通しのこと。がんの場合には、治療の効果、再発や転移の可能性などが含まれる。病気がよくなっていく可能性が高い場合は、「予後がよい」という。

ランダム化比較試験

被験者をランダム(無作為)に2つのグループに分け、一方には新しい治療、もう一方には従来の治療を行って、一定期間後に評価する試験法。新しい治療法の効果を適正に評価できる。現在、使用されている薬のほとんどは、この方法で有効性が確認されたものである。

臨床試験

ヒトを対象として、医薬品や治療法の安全性や有効性を評価するための試験。このうち、薬事法上の製造販売承認を得るために行われるものを、「治験」と呼ぶ。一般的な薬では、臨床試験は、健常人を対象におもに安全性を調べる第一相試験、少数の患者さんを対象に有効性を調べつつ投与法などを探る第二相試験、多数の患者さんを対象に有効性を確認する第三相試験という順に行われる。抗がん剤の開発では、第一相試験から患者さんに協力をお願いして、安全な投与量や効果を調べる場合もあります。

ワクチン

ウイルスや細菌などの病原体を不活性化または無毒化したもの。これをヒトに接種することにより、病原体に対する免疫が強化され、病気を予防したり、症状を軽くしたりできる。がんの場合は、がんに特異的な抗原をワクチンに用いて治療することが考えられている。